粉ミルクはどう選ぶ?
4タイプそれぞれの特徴やおすすめ商品をご紹介!
公開日: 2021.6.16 /更新日: 2022.3.10
粉ミルクにはたくさんの種類があります。はじめて粉ミルクを使う方にとっては、どのように選べばよいのか迷ってしまいますよね。
そこで今回は、粉ミルクとは何か、どのようなタイプがあるのか、どうやって選べばよいのかをご紹介します。さらに、粉ミルクの成分や作り方、粉ミルクに関する疑問についても詳しく解説します。
また、最後にはおすすめの商品10選もご紹介していますので、粉ミルクをお探しの方はぜひ参考にしてください。
そもそも「粉ミルク」とは?
粉ミルクは、牛乳成分を主成分として、乳幼児の成長に必要な栄養素を加えた、粉末状の製品です。
赤ちゃんの粉ミルクは、特別用途食品の一つである「乳幼児調整粉乳」に該当します。
粉ミルクは母乳の代替として利用できるため、赤ちゃんに直接母乳があげられないときや、母乳が出ないとき、または足りないときにも安心して使える、ママの強い味方でもあります。また、粉ミルクはママ以外でも簡単に飲ませることができるので、育児の分担がしやすくなる点も大きなメリットです。
粉ミルクのタイプ別メリット・デメリット
粉ミルクは、缶・詰め替え・スティック・キューブの4タイプに大きく分けられます。それぞれに特徴があるので、順番に見ていきましょう。
缶タイプの粉ミルク
大きな缶に粉ミルクが入っているタイプです。粉ミルクと聞いて多くの人がまず思い浮かべるのは、この缶タイプかもしれません。
量あたりの値段が他のタイプに比べて安価なのがメリットです。缶のままでは持ち運びしにくいので、お出かけの際などに使いにくいのがデメリットといえます。
詰め替えタイプの粉ミルク
繰り返し使える専用のケースなどに、粉ミルクを詰め替えるタイプです。
地球に優しい包装素材を使った製品も多く、エコに貢献できるのがポイント。しかし、自分で粉ミルクを詰め替える手間がかかる点はデメリットです。
スティックタイプの粉ミルク
小さなスティックに、100mlや200mlなど一定量のミルクが作れる分の粉ミルクが封入されているタイプです。
持ち運びしやすいのでお出かけなどに便利です。ただし計量はしづらいので、半端な量のミルクを作る場合は少し不便かもしれません。
キューブタイプの粉ミルク
粉ミルクがキューブ状になっているタイプです。
持ち運びしやすいことに加えて、固形なのでスプーンがなくても計量しやすい点がメリットです。未開封なら長期保存も可能ですが、少し値段が高めというデメリットもあります。
粉ミルクを選ぶポイントは?
粉ミルクを選ぶ際に注目したいポイントは、「調乳のしやすさ・味わい・コストパフォーマンス」の3つ。それぞれのポイントについて、以下で詳しく解説します。
調乳のしやすさで粉ミルクを選ぶ
粉ミルクは食事のたびに調乳する必要があります。毎日忙しい方は、調乳しやすい粉ミルクを選ぶのがおすすめです。お湯に溶けやすいスティックタイプやキューブタイプの粉ミルクなら調乳時間を短縮しやすく、その分赤ちゃんとゆっくり過ごす時間を確保できるでしょう。
缶タイプの粉ミルクを使いたい場合は、フタを開けやすいものや、すり切りができて計量しやすいものを選んでみてください。
味わいで粉ミルクを選ぶ
粉ミルクの味わいが良ければ、赤ちゃんが飽きずに長くミルクを楽しみやすくなります。粉ミルクの味わいのポイントは、甘さと泡立ちです。
甘さが足りないとミルクの飲みが悪くなりがちなので、十分な甘さの粉ミルクを選びましょう。泡立ちは、多すぎると赤ちゃんが飲みにくくなってしまうので、泡立ちしにくい粉ミルクを選ぶこともポイントです。
コストパフォーマンスで粉ミルクを選ぶ
粉ミルクは赤ちゃんの大切な食事。基本的には毎日飲むものだからこそ、家計への優しさも気になるところです。
コストパフォーマンスで粉ミルクを選ぶなら、同じ量あたりの金額が安くなりやすい、大きな缶タイプがおすすめ。缶タイプを基本にして外出用にスティックタイプやキューブタイプを用意するなど、都合に合わせて柔軟に使い分けるとよいでしょう。
粉ミルクの成分って?
粉ミルクは、母乳に近い成分になるよう作られています。具体的にどのような成分が入っているのか見ていきましょう。
粉ミルクの成分は法律で決まっている
粉ミルクは母乳の代替品として、下表のように一定の成分と分量が含まれていることが法律で定められています。
標準濃度の熱量(100ml当たり):60~70kcal
成分 |
100kcal当たりの組成 |
たんぱく質
| 1.8~3.0g |
脂質 |
4.4~6.0g |
炭水化物 |
9.0~14.0g |
ナイアシン(※1) |
300~1500μg |
パントテン酸 |
400~2000μg |
ビオチン |
1.5~10μg |
ビタミンA(※2) |
60~180μg |
ビタミンB1 |
60~300μg |
ビタミンB2 |
80~500μg |
ビタミンB6 |
35~175μg |
ビタミンB12 |
0.1~1.5μg |
ビタミンC |
10~70mg |
ビタミンD |
1.0~2.5μg |
ビタミンE |
0.5~5.0mg |
葉酸 |
10~50μg |
イノシトール |
4~40mg |
亜鉛 |
0.5~1.5mg |
塩素 |
50~160mg |
カリウム |
60~180mg |
カルシウム |
50~140mg |
鉄 |
0.45mg以上 |
銅 |
35~120μg |
セレン |
1~5.5μg |
ナトリウム |
20~60mg |
マグネシウム |
5~15mg |
リン |
25~100mg |
α-リノレン酸 |
0.05g以上 |
リノール酸 |
0.3~1.4g |
カルシウム/リン |
1~2 |
リノール酸/α-リノレン酸 |
5~15 |
(※1)ニコチン酸及びニコチンアミドの合計量
(※2)レチノール量
出典:消費者庁「特別用途食品の表示許可基準」
上記成分は「乳児用調製乳(乳児用調製粉乳)」と表示するための最低限の基準です。このように粉ミルクには、赤ちゃんの健やかな成長を助けるためにさまざまな成分がバランスよく含まれています。
成分に関するいろいろな工夫
粉ミルクに含まれる代表的な4つの成分について、さらに詳しく見ていきましょう。
- 脂質
粉ミルクは基本的に牛乳を原料としていますが、それだけだと脂肪酸の組成が母乳とは異なってしまっています。そこで、一部植物性脂肪を利用することで必須脂肪酸のバランスを母乳に近づける工夫がされています。
- 炭水化物
粉ミルクの炭水化物は、母乳にも多く含まれている乳糖がメインです。また、母乳にはわずかにオリゴ糖も含まれているため、粉ミルクにも同じようにオリゴ糖が加えられています。
- ミネラル
牛乳には、カリウム・カルシウム・リン・ナトリウムなどのミネラルが母乳よりも多く含まれています。そのままの量では乳児への負担が大きすぎるため、バランスを調整し、母乳の割合に近づけて作られています。
- ビタミン
赤ちゃんにとって大切なビタミンKは、母乳では欠乏しがちな栄養成分です。ビタミンKが不足すると、「ビタミンK欠乏性出血症」を発症しやすいことがわかっています。これを防ぐため、粉ミルクにはビタミンKが多く配合されています。
「プラスα」の成分は気にしすぎなくてOK
粉ミルクはたくさんの種類があり、知れば知るほど悩んでしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、国内メーカーであればどの商品も先にご紹介した表示許可基準に沿って製造されているため、成分に大きな違いはありません。
より多くの栄養素を含むものや、母乳を参考にしたほかの成分を含有した製品もありますが、それらはプラスαの成分なので、あまり気にしすぎなくても大丈夫です。
味にも違いがあるため、赤ちゃんが良く飲んでくれるものなど、好みで選んであげるのもよいでしょう。
粉ミルクの作り方
赤ちゃんのミルクを手早く準備できるよう、作り方のポイントも押さえておきましょう。
1.手指・器具を清潔にする
ミルクを作る前は、手をしっかりと洗いましょう。哺乳瓶もよく洗って消毒したものを使用します。使い終わったものはまた、雑菌が繁殖しないように洗って消毒し、常に清潔なものを用意しておきましょう。
2.70〜80度のお湯を作る
沸騰させたあと、70~80度に冷ましたお湯を準備します。熱湯だと粉ミルクの栄養分が破壊されてしまうこともあるため、注意しましょう。
3.粉ミルクを半量のお湯で溶かす
粉ミルクを哺乳瓶に入れ、まずは半量のお湯を注ぎます。哺乳瓶に乳首を取り付け、よく振って溶かしてください。
4.湯冷ましもしくは水を加える
粉ミルクが溶けたら、完成量まで湯冷ましまたは水を足し、泡立てないよう注意して混ぜます。
5.人肌程度の温度まで冷ます
最後に、哺乳瓶を流水に当てながらミルクを適温(30〜40度)まで冷まします。腕の内側にミルクを垂らしてみて、少し温かさを感じる程度が目安です。
また、食中毒を防ぐためにもミルクは1回分ずつ作り、調乳後2時間以内に使用しなかったものは廃棄してください。
粉ミルクに関するQ&A
はじめて粉ミルクを使うときには、わからないことや不安なことも多いでしょう。ここでは、赤ちゃんに粉ミルクをあげる際に多くのママ・パパが抱く疑問とその答えをご紹介します。
粉ミルクはいつまで与えるの?
粉ミルクを与える目安として、1歳頃までは母乳成分に近い「育児用粉ミルク」を使用するのがおすすめです。離乳食が始まったら、食事とのバランスを考えながら徐々にミルクの回数や量を減らしていきます。
1歳を過ぎて、離乳食だけでは不足する栄養素を補いたい場合には「フォローアップミルク」を使って調整してあげるとよいでしょう。
赤ちゃんにミルクアレルギーがあったら?
赤ちゃんにミルクを飲ませたあと、下痢や嘔吐、腹部膨満などのアレルギー反応が見られたときは、すぐに病院に連れて行きましょう。
もしアレルギーであったとしても、アレルギー対応のミルクも販売されているので安心してください。どのようなものを選べば良いかは、病院の医師に確認しましょう。
はじめての方にもおすすめの、厳選した粉ミルク8品をご紹介
はじめて粉ミルクを使う方にもおすすめできる、使いやすい粉ミルクを8品ご紹介します。
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森永乳業 はぐくみ大缶(2缶パック)
最新の母乳研究をもとに、栄養の量とバランスを母乳に近づけた粉ミルクです。
初乳に多く含まれるラクトフェリンや、ビフィズス菌を増やす3種類のオリゴ糖を配合。このほかにも、母乳に含まれるDHAなど、赤ちゃんの成長を助ける成分がしっかり配合されています。
800gの大缶が2缶パックになった、大容量セットです。
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アイクレオ バランスミルク 2缶セット
母乳を目指して成分と原料にこだわって作られた、赤ちゃんの身体にやさしいミルクです。
母乳にも含まれ、赤ちゃんの発育に大切な成分である5種類のヌクレオチドは、日本のメーカーで初めて配合。赤ちゃんの繊細な味覚に合わせたあっさりとした甘みや、保存料不使用などもうれしいポイントです。
ミルクの成分にこだわりたいママやパパにおすすめします。
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森永乳業 はぐくみエコらくパックはじめてセット
ゴミを減らしたい方や、持ち運びやすさを重視したい方におすすめ の、詰め替えタイプの粉ミルクです。
赤ちゃんの未来のために、できるだけ良い地球環境を残したいもの。この粉ミルクは詰め替えタイプなのでゴミが少なく、子育てをしながら気軽にエコに貢献できるのが魅力です。
計量に便利な専用スプーンと、入れ替えを楽にしやすい専用ケースが付属しているので、詰め替えタイプをはじめて使う方にもおすすめできます。
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森永乳業 森永E赤ちゃんエコらくパックはじめてセット
専用ケースに簡単に詰め替えができる、エコらくパックはじめてセット。収納時はもちろん、使用後もアルミ包装を捨てるだけで済むので、場所を取らずに環境にもやさしいパッケージです。
専用ケースは丸ごと洗えるほか、煮沸・電子レンジ消毒・薬液消毒もOK。
すべての牛乳たんぱく質を細かく分解して、消化しやすいように配慮された、“母乳のようにやさしいミルク”です。
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アイクレオ バランスミルク スティックタイプ
お出かけ時の携帯に便利な、スティックタイプの粉ミルクです。味や香りなどを母乳に近づけており、携帯性だけでなく機能面でも優れています。
母乳に豊富に含まれるガラクトオリゴ糖を配合したり、母乳に近いミネラル量にこだわったりと栄養面での工夫も魅力的です。
普段は缶や詰め替えの粉ミルクを使っている方も、お出かけの際に一度試してみてはいかがでしょうか。
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明治 ほほえみらくらくキューブ
キューブタイプミルクの16袋入りです。普段は粉ミルクでも、お出かけなどの特別なときだけに利用したい方や、使いたい量だけ開封できるので備蓄用に用意しておきたい方にもおすすめです。
母乳に近づけた、こだわりの栄養成分で作られた乳幼児ミルク「明治ほほえみ」に、添加物を一切加えることなく固めたミルクです。
イオンスタイルオンラインでは、0ヵ月から飲める新生児ミルクを多数ご用意しています。もっと見てみたい方は、こちらもどうぞご覧ください。
1歳前後頃からは、離乳食の補完としてフォローアップミルクがおすすめです。どのようなものがあるか気になった方は、こちらのページでぜひ確認してみてください。
■粉ミルクはどう選ぶ?Q・A
Q: 粉ミルクはいつまで与えるの?
A:粉ミルクを与える目安として、1歳頃までは母乳成分に近い「育児用粉ミルク」を使用するのがおすすめです。離乳食が始まったら、食事とのバランスを考えながら徐々にミルクの回数や量を減らしていきます。
育児用粉ミルクをお探しの方はこちらをご覧ください。
1歳を過ぎて、離乳食だけでは不足する栄養素を補いたい場合には「フォローアップミルク」を使って調整してあげるとよいでしょう。
フォローアップミルクをお探しの方はこちらをご覧ください。
Q: 赤ちゃんにミルクアレルギーがあったら?
A:赤ちゃんにミルクを飲ませたあと、下痢や嘔吐、腹部膨満などのアレルギー反応が見られたときは、すぐに病院に連れて行きましょう。もしアレルギーであったとしても、アレルギー対応のミルクも販売されているので安心してください。どのようなものを選べば良いかは、病院の医師に確認しましょう。
まとめ
粉ミルクは母乳の代替として利用できる、赤ちゃんにもママにもやさしいアイテムです。
粉ミルクの種類は、コストパフォーマンスに優れた缶、環境にも配慮できる詰め替え、携帯に便利なスティック、使いやすくて保存性も高いキューブの4タイプがあります。
普段は缶や詰め替えを使用して、お出かけの際にスティックやキューブを使うなど、それぞれのタイプを組み合わせて長所を活かすのもおすすめです。
今回ご紹介した商品も参考に、ぜひ粉ミルクでの子育てを楽しんでください。