除菌・抗菌・殺菌の違いと効果的な除菌方法をご紹介
更新日: 2024.6.21
※イメージです。
身の回りを清潔に保つアイテムは多数販売されていますが、購入の際に目安となるのが「除菌」「抗菌」などの文字です。
しかし、これらの言葉の意味や違いがよく解からず、商品選びで困っている方も少なからずいるでしょう。
そこで今回は日用品に使われることが多い「除菌」の意味と、「抗菌」「殺菌」などとの違いと効果的な除菌方法も併せてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
そもそも除菌とは?
「除菌」とは細菌やウイルスの数を減少させることです。
厳密にいうとウイルスは「菌」ではありませんが、一般にウイルスの数を減らすことも「除菌」に含まれます。
もっとも、除去の対象となる微生物の種類や数に明確な定義はありません。また、「除菌」の表示についても特に法律の規制はありません。
そのため、各業界団体が独自に除菌の定義や表示基準を設けています。
なお、「除菌」という言葉は基本的に医薬品・医薬部外品以外の商品に使われる傾向にあります。
代表的なアイテムは食器用洗剤や洗濯用洗剤、漂白剤、アルコールスプレー、清拭用クロスなどです。
「除菌」に関連する言葉の意味と違い
「除菌」に関連する言葉として「殺菌」「抗菌」「滅菌」「消毒」などがあります。
ここでは、それぞれの言葉の意味と違いをご紹介します。
殺菌
「殺菌」とは細菌などの微生物を殺すことです。
ただし、対象となる微生物の種類や数は定められていません。すべての細菌やウイルスを殺さなくても数が減れば「殺菌」。複数の菌種の中で1種類の菌が減っただけでも「殺菌」したことになります。そのため、意味としては「除菌」とあまり変わりません。
しかし、「殺菌」と表示できる商品は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」の対象となる医薬品および医薬部外品に限られます。
したがって、医薬品や医薬部外品である消毒液や薬用石けんなどには「殺菌」と表示できますが、雑貨品に分類される洗剤や漂白剤に対しては使えません。
抗菌
「抗菌」とは菌の増殖を抑えることです。
除菌や殺菌のように微生物を直接取り除いたり殺したりするのではなく、菌が増えにくい環境を作ってその増殖を抑制・阻害することを意味します。
なお、経済産業省の「抗菌加工製品ガイドライン」によると抗菌の対象は細菌のみで、ウイルスやカビ類などは含まれません。
最近はキッチンやバス・トイレなどの水回りアイテムのほか、衣類やバッグ類、おもちゃなどでも抗菌加工された商品が多数販売されています。
滅菌
「滅菌」とは細菌やウイルスなどすべての微生物を死滅・除去することです。
医薬品の規格基準書である日本薬局方では、微生物の生存確率が100万分の1以下になることをもって「滅菌」と定義しています。医療現場では
手術器具や注射器、カテーテルなどが滅菌の対象となっています。
加えて、「滅菌」も薬機法上の医薬品や医薬部外品のみに使える表現です。
市販の滅菌商品として滅菌ガーゼや滅菌精製水などがあります。
消毒
「消毒」とは細菌やウイルスなどの病原性微生物を害のない程度まで減らしたり、感染力を失わせたりして無毒化することです。
ただし、対象となる細菌やウイルスをすべて殺す、あるいは除去するものではありません。
「消毒」も薬機法で分類された医薬品や医薬部外品のみに表示できる表現です。
主な除菌成分
次に除菌アイテムに含まれている主な除菌成分をご紹介します。
アルコール類
エタノールやイソプロパノールなどは除菌アイテムに含まれている代表的なアルコール成分です。
短時間で乾くため、使用後の拭き取りや乾燥は基本的に不要です。ただし、水濡れのある場所で使用するとアルコールの濃度が下がってしまうため、十分な効果が得られないおそれがあります。
アルコール類は さまざまな細菌やウイルスの除菌に効果が期待できますが、ほとんど効果がないウイルスの種類もあるため、場面に応じた使い分けが必要です。
次亜塩素酸ナトリウム
次亜塩素酸ナトリウムは市販の塩素系漂白剤に含まれる除菌成分です。
家庭内に存在するさまざまな細菌だけではなく、アルコールでは十分に除菌できないウイルスなどにも効果が期待できます。
ただし、次亜塩素酸ナトリウムを除菌に使いたい場合は塩素系漂白剤を一定の濃度に薄めなければなりません。
また、アルコールのような速乾性はないため、使用した後に時間をかけて乾かしたり、清潔な布で拭き取ったりする必要があります。
金属製品の除菌に使用すると腐食する場合もあるため、その点にも注意しなければなりません。
なお、衣類の除菌には塩素系漂白剤をそのまま使うこともできますが、色や柄が漂白されることもあるためご注意ください。
次亜塩素酸水
次亜塩素酸水は次亜塩素酸を含む無色透明の水溶液で、わずかに塩素臭があります。
次亜塩素酸水を除菌に使用する場合は除菌したいものの汚れをあらかじめ落としておき、適切な濃度に希釈した次亜塩素酸水で対象物を十分に濡らします。その後、清潔な布やペーパータオルなどで拭き取ってください。
なお、次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムは異なるものです。次亜塩素酸ナトリウムを水で薄めても次亜塩素酸水にはなりませんので、ご承知ください。
また、次亜塩素酸水は食品添加物に指定されていますが、使用した場合でも食品が最終的に完成する前に除去しなければならないと法律で定められているため、口にすることはまずありません。
除菌目的で使用する場合も目や皮膚に付けたり飲み込んだりしないようご注意ください。
効果的な除菌方法
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ここからは日常生活に取り入れやすい効果的な除菌方法をご紹介します。
手洗い
除菌の基本は手洗いです。
手や指に付いた細菌やウイルスなどは流水できちんと洗い流すことで物理的に取り除けます。実際、流水で15秒間手洗いするだけでもウイルス量を100分の1に減らせたという研究報告もあります。
※(厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設ページ)より
したがって、外出先から帰宅した時は しっかり手洗いをしてください。調理の前後や食事の前、トイレ後の手洗いも必須です。お金やドアノブ、手すりなど不特定多数の人が利用するものに触った後も、こまめに手を洗うことをおすすめします。
なお、人ごみの中など「密」が避けられない場所に出かけたときは、帰ってすぐにシャワーを浴びるのもおすすめです。
「除菌」表示のある製品の活用
手や指のように洗い流せないもの、衣類のように洗濯できないものには、「除菌」表示のあるアイテムを活用するのがおすすめです。
外出時に使ったバッグ類やスマートフォン、ドアノブや電気のスイッチ、リモコンなどは、拭き取りタイプの除菌アイテムを利用すると手軽に除菌できます。
コートなど家庭での洗濯が難しい衣類は、スプレータイプのアイテムを使うと便利です。
毎日の生活で使いやすい除菌アイテムのご紹介
イオンスタイルオンラインでは、さまざまなタイプの除菌アイテムを取りそろえています。
ご家庭で使いやすいスプレータイプや拭き取りタイプのほか、外出時に携帯しやすいコンパクトサイズのアイテムもご用意しています。
清潔な環境づくりに役立つ除菌アイテムをお探しの方は こちらをご覧ください。
まとめ
健康で快適な暮らしのために衛生面に気を配るのはとても大切なことです。
ウイルスや細菌などを取り除ける除菌アイテムは清潔な環境づくりに役立つ大変有用なアイテムといえます。
ご自身や大切な人を守るためにも、この機会に除菌アイテムの利用を考えてみてください。