電子レンジにアース線が必要な訳。
取り付け方や注意点を知り安全に使おう
更新日: 2024.9.9
※イメージです。
家電にはアース線が付いているものと、そうでないものがあります。そのため「アース線は何のためにあるの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。特に、電子レンジにはアース線が付いていることが多いですが、アース線は電子レンジなどの家電を設置する際に感電や漏電のリスクを防ぐ重要な役割を果たします。
今回はアース線の役割や取り付け方法、取り付けできない場合の対処法についてご紹介します。家電を安全に使用するために、アース線の正しい使い方を知ることが大切です。
アース線が必要な訳。アース線の役割とは
アースとは家電などと大地を電気的に接続(「接地」とも言います)することです。接地するためのコードがアース線です。アース線は家電そのものや人体に起こりうるさまざまなリスクを軽減します。アース線の主な役割は次のとおりです。
漏電リスクを軽減する
電気が流れるべきではない場所に流れてしまうことを漏電と呼びます。家電の故障やコードの劣化で外部に電気が漏れていると、感電の恐れがあり非常に危険です。
アース線は漏れた電気を地面に流して感電事故を防ぐ重要な役割を果たします。特に水まわりでは感電のリスクが高まるため、電子レンジや洗濯機、食洗機などはアース線の取り付けが必要です。
また、家電の故障やコードの劣化による漏電で火花が発生し、ホコリなどに着火すると火災につながる恐れもあります。アース線を取り付けることで、こうしたリスクを軽減できるのです。
落雷による家電故障のリスクを軽減する
落雷が発生すると電線などを通じて大量の電流が家電に流れ込み、故障の原因になる場合があります。
家電のプラグを抜いておけば問題ありませんが、冷蔵庫や電子レンジなどのキッチン家電はプラグを挿したまま使用していることが多いのではないのでしょうか。
そのような場合はアース線を取り付けておくことで、落雷で家電の内部部品が破損するリスクを軽減してくれます。
家電同士の電磁波の干渉リスクを軽減する
電子レンジを高出力で使用すると強力な電磁波が発生し、テレビやラジオなどの近くで使われている他の機器に影響を与えることがあります。例えば、テレビ画面の乱れやラジオのノイズが発生したり、Wi-Fiのデータ通信が不安定になったりする恐れがあります。
そこで、アース線を取り付けることで不要な電磁波や電気を地面に逃がすことが可能です。その結果、周囲機器への干渉リスクが軽減されます。
電子レンジのアース線使用は義務?アース線使用が必須の場所と使用禁止の場所
※イメージです。
漏電リスクや家電の故障リスク、周辺機器への干渉リスクを軽減してくれるアース線ですが、全ての家電に使わなければいけないわけではありません。電子レンジを含め、アース線の使用が義務付けられている場所と禁止されている場所をご紹介します。
アース線を使わなくてはならない場所
アース線の使用は内線規程により義務付けられています。この規程は電気事業法に基づく「電気設備に関する技術基準を定める省令」による工事方法などを、具体的に示した民間規格です。特に、水を使う場所や湿気の多い環境での使用が求められているので電子レンジもこの対象に含まれます。
アース線のない電子レンジがある場合はアース線が内蔵されているか、感電防止のために絶縁処理が施されている製品です。電子レンジ以外にも、湿気が多い場所で使用する電気機器や高い電圧を使用する器具にはアース線の使用が必要です。
アース線を使わなくてはならない主な家電には次のようなものがあります。
- 洗濯機や衣類乾燥機
- 冷蔵庫
- 食洗機
- エアコン
- 温水洗浄便座
使用が禁止されている場所
住宅内でアース線を取り付けることができるのは、コンセントのアース線の差込口のみとされています。電話やインターネット通信用のコンセント、ガス管、水道管、避雷針などにアース線を接続することはできません。
特に、ガス管にアース線をつなぐと、引火や爆発のリスクがあります。また、電話用のアース線の差込口や避雷針にアース線をつなぐと、落雷時に事故が起きるリスクが高まります。さらに、水道管は樹脂製が一般的なため電流を逃がす効果が期待できません。
「電気設備に関する技術基準を定める省令」でも、これらへのアース線の接続は禁止されており、適切な場所にのみ取り付けることが求められます。
参照:電気設備に関する技術基準を定める省令 | e-Gov 法令検索
電子レンジ他、家電のアース線の取り付け方
アース線の取り付け方法は大きく2つあります。
アース線の先端がビニールやゴムなどで覆われている場合はニッパーなどを使い銅線を傷つけないように気を付けながら、1cmほど外側の素材をむいて銅線を出しておきます。
ねじ・つまみタイプ
コンセントのアース線の差込口に つまみやネジが付いているタイプです。ネジはカバーで隠れている場合もあります。ネジタイプの場合はドライバーが必要です。
- 【取り付け方】
- 1.ドライバーでネジを緩める、またはつまみを回して緩める
- 2.緩んでできた隙間にアース線を巻き付けるようにして差し込む
- 3.ネジまたはつまみをしめて固定する
アース線を外す場合の流れは上記と反対で、ネジまたはつまみを緩めアース線を引き抜きます。
ワンタッチタイプ
ワンタッチタイプはドライバーなどの道具が不要でアース線を差込口に入れるだけのタイプです。
- 【取り付け方】
- 1.差込口のカバーを開ける
- 2.2つの穴があるので、どちらか一方にアース線を差し込む
- 3.差込口のカバーを閉める
アース線の銅線が出ている部分が差込口の外側に残っていると感電の危険性があるため、銅線が見えなくなるまで差込口の奥にしっかりと差し込むのがポイントです。
こんなときはどうする?電子レンジのアース線がつなげない場合の対処法
いざ電子レンジのアース線を取り付けようとしたものの、コンセントにアース線の差込口がなかったり、アース線の長さが足りなかったりと、取り付けられない場合があるかもしれません。ここでは、アース線が取り付けられない場合の対処法をご紹介します。
アース線の差込口が付いていない
コンセントにアース線の差込口がない場合はアース線の差込口付きコンセントに交換する工事を行なわなければなりません。ただし、この工事は電気工事士の資格を持った専門業者でなければ実施できないため、家電量販店や電気工事店などへの工事依頼が必要です。
賃貸物件の場合は許可なくコンセントを増設することはできないため、事前に物件の管理会社や大家に相談する必要があります。
なお、工事を避けたい場合は漏電を感知した際に、電気を遮断するプラグタイプの漏電遮断器を使用するという方法もあります。
アース線の長さが足りない
電子レンジのアース線が短くて差込口まで届かない場合は元のアース線を取り外して適切な長さのアース線に付け替えます。アース線はホームセンターや電気工事店などで購入可能で、使用する家電に合った長さのものを選びましょう。交換作業をする際は取扱説明書に従ってください。
なお、アース線の交換には電気工事士の資格は必要ありません。一般的なアース線は銅線直径1.6mmが使用されています。アース線を継ぎ足して延長するのは非常に危険で事故の原因になることがあるため、アース線の付け替えで対処することが重要です。
アース線の差込口がすでに使われている
アース線が複数あるのにコンセントのアース線の差込口が1つしかない場合は、複数のアース線を1つの差込口にまとめて接続することが可能です。
アース線は漏電のときなどに電気を地面に逃がす役割を持つため、通常の場合はアース線自体に電気は流れていません。そのため、1つの差込口に複数のアース線を差し込むことができます。
特に古い建物などではアース線の差込口が1つしかない場合もありますが、数本をまとめて接続することで対処可能です。
アース線をつないで漏電対策を行い、便利な電子レンジを使おう
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まとめ
アース線には漏電や感電の危険を防ぐ重要な役割があります。特にキッチンなどでは感電リスクが高いため、家電のアース線を正しく接続することが大切です。電子レンジはアース線がなくても動作しますが、アース線を接続することで、感電や火災などのリスクを軽減できます。
アース線の差込口が少ない場合は1つの差込口に複数のアース線を接続したり、専門業者に依頼してコンセント自体を交換したりすることも可能です。安全を確保するため、アース線を正しく接続して使いましょう。