チャイルドシートの前向き使用はいつからOK?
後ろ向き推奨の理由と注意点
更新日: 2024.12.8
※イメージです。
自動車にお子さまを乗せる際は、適切にチャイルドシートを使うことが大切です。「新生児のときは後ろ向きで使用する」と知って使い始めたけれど、「いつから前向きにしたら良いのだろう?」と迷うことがあるかもしれません。「後ろ向きだと窮屈そう」「乗せ降ろしが大変」と感じている方もいるでしょう。
ただ、前向きでの使用に切り替えるタイミングは慎重に判断する必要があります。ここでは、チャイルドシートを前向きで使用するタイミングやその確認方法、後ろ向きが推奨される理由を詳しくご紹介します。
チャイルドシートを前向きで使用できるのはいつから?
最初にチャイルドシートはいつから前向きで使用できるのかを判断するための3つの指標をご紹介します。
安全基準に基づく切り替え時期
1つ目の指標は国内で定められているチャイルドシートの安全基準です。
国内で製造・販売されるチャイルドシートには安全基準が設けられています。2023年9月以降に製造されたチャイルドシートには、最新安全基準の「R129」が適用されています。
R129とは「国連の車両・装置等の型式認定相互承認協定」に沿って定められた、改良型幼児拘束装置に関する規則のことです。この安全基準R129の中でチャイルドシートの後ろ向き使用の推奨期間が示されていることから、前向き使用に切り替えるタイミングの判断材料の一つとされています。
R129以前の安全基準である「R44」での後ろ向き推奨期間は12ヵ月頃まででしたが、R129内では15ヵ月未満まで後ろ向き使用が推奨されています。このように、安全基準における後ろ向き推奨期間は今後も変わる可能性があります。
なお、R129基準では前後の衝撃だけでなく横からの衝撃にも強いかどうかを知るための衝突試験が追加され、より安全性が高まっています。
参考:国土交通省「協定規則第129号 自動車に搭載して使用される改良型年少者用補助乗車装置(ECRS)の認可に関する統一規定」
製品によって切り替え時期は異なる
2つ目の指標はチャイルドシートの取扱説明書に書かれている推奨時期です。
一般的なチャイルドシートでは後ろ向きで乗せる期間が定められていますが、その期間は製品によって異なります。同じシリーズの製品でも型番や仕様により推奨時期が異なる場合があるため、取扱説明書の確認が欠かせません。
どの安全基準に適合しているかによっても、切り替え時期が変わることがあります。取扱説明書の内容をしっかりと確認して適切に使用してください。
お子さまの身長や体重に合わせて判断すること
3つ目の指標はお子さまの身長・体重です。
安全基準での後ろ向き使用の推奨月齢は あくまでも目安でしかありません。そのため、月齢だけでなくお子さまの身長や体重に基づいて決定することが大切です。
R129基準では身長76cm未満、R44基準では体重9kg未満までと、身長や体重にも触れています。
お子さまの成長に合わせて取扱説明書を確認しながら安全に切り替えを行なうことが必要です。
そもそもチャイルドシートの後ろ向き使用が推奨されている理由は?
そもそもなぜチャイルドシートは特に新生児や乳幼児について後ろ向き使用が推奨されているのでしょうか?安全性を確保するためと言われていますが、その理由を詳しくご紹介します。
衝撃を分散して首や頭部を守る
チャイルドシートを後ろ向きで使用する理由は、赤ちゃんの首や頭部を守るためです。新生児は骨格が未発達で首の筋力も弱いため、前方からの衝撃を受けると頭が前に大きく動き、首や背骨を損傷しかねません。
チャイルドシートが後ろ向きなら、背中全体で衝撃を吸収することで力を分散でき、首や頭部へのダメージを軽減できます。
体が飛び出すなど事故時の被害を防ぐ
新生児や乳幼児の骨格は未発達な状態です。それに加えて、体が小さいために衝撃でベルトの隙間から体が飛び出す危険性もあります。
チャイルドシートを後ろ向きにすれば、体全体をしっかりとホールドできます。前方からの衝撃を背中全体で吸収して、万が一の時の被害を最小限に抑えることが可能です。
チャイルドシートを後ろ向きから前向きに切り替えるタイミングの確認方法
続いて、お子さまがチャイルドシートを前向きで使用できる時期かどうか確認する手順を具体的にご紹介します。
お子さまの身長と体重を計測する
先述したようにチャイルドシートの向きをいつ切り替えるかは、月齢を目安にしつつ お子さまの身長や体重を考慮して決めることが大切です。そのため、まずはお子さまの身長と体重を計測します。
自宅に身長を計測するものがない場合は身近なものを使っておおよその身長を確認できます。例えば、新聞紙を開いたときの横の長さは約81cmです。また、A4用紙の短い辺の長さが21cmですので、4枚並べると84cmになります。
体重はまずご自身一人分の体重を計測・確認後、お子さまを抱っこした状態で再び計測し、そこからご自身の体重を引くと算出できます。
使用中のチャイルドシートの適用条件を確認する
先述のとおりチャイルドシートの向きを切り替えるタイミングは製品によって異なるため、使用中のチャイルドシートの適用条件はきちんと確認する必要があります。
多くの場合は取扱説明書に前向きで乗せるべき身長・体重・年齢の他、「前向きで座った際に背もたれから頭が出てはいけない」といった注意点が書かれています。取扱説明書が手元にない場合はメーカーのホームページで確認してください。
また、適用条件がチャイルドシート本体に記載されている場合もあります。適用条件や注意点をしっかり確認して安全に使用することが大切です。
チャイルドシートの取り付け方を前向きに切り替える際の注意点
※イメージです。
ご紹介した3つの指標を参考にチャイルドシートの向きを前向きに切り替えるタイミングを検討できそうでしょうか。
ここからは、切り替えの際の注意点をご紹介します。実際にチャイルドシートの向きを切り替える際に注意したいポイントがありますので、あらかじめ把握しておくことが大切です。
後ろ向きのほうが安全なため切り替えを急ぐ必要はない
事故などによるケガのリスクを軽減できるため、チャイルドシートは後ろ向きで使用したほうが安全だと言えます。国外では、日本よりも後ろ向き使用の推奨期間を長く設定している国もあります。
アメリカの小児学会では2歳まで後ろ向き使用を推奨しています。フランスの場合は法律により、体重が13㎏に到達するまでは原則後ろ向きで使用しなくてはなりません。
前向きに切り替えられる状態になったからといって すぐ向きを切り替えるのではなく、極力後ろ向きで使用することも検討してみてください。お子さまの命を守るためのシステムなので、安全性を第一に判断することが大切です。
助手席への取り付けは避けたほうが良い
チャイルドシートの向きを後ろ向きから前向きに切り替えるタイミングで、後部座席から助手席への移動を検討する方もいるでしょう。しかし、助手席へのチャイルドシートの取り付けは安全性確保の観点から推奨されてはいません。
その理由は助手席のエアバッグが作動した際に、お子さまがエアバッグとシートの間に挟まれるリスクがあるためです。エアバッグが勢い良く膨らむことで、チャイルドシートごとお子さまが押し上げられ、挟まれてしまうおそれがあります。チャイルドシートは安全性を考慮して、後部座席に取り付けるようにしてください。
チャイルドシートをしっかりと固定する
チャイルドシートを前向きで使用する場合、事故などの衝撃によってお子さまの頭部が前に飛び出すおそれがあります。そのため、衝撃を受けてもチャイルドシート自体が動かないようにしっかりと取り付けることが重要です。
取り付ける際はチャイルドシートに体重をかけて自動車の座面に沈み込ませ、しっかりと金具やシートベルトで固定します。取り付け後はチャイルドシートを前側に押してみて、しっかりと固定されているかどうかを確認してください。
ベルトを適切にしめる
チャイルドシートのベルトは適切にしめる必要があります。事故の際にベルトがゆるいとお子さまが前に飛び出してしまうリスクがあるため、隙間ができないようにすることが重要です。
ただし、ベルトをきつくしめすぎるとお子さまが苦しく感じる可能性があるため、しめすぎにも注意しなくてはいけません。ベルトとお子さまの間に大人の指が2本入る程度を目安にすると良いでしょう。
押さえておきたいチャイルドシートの基本
最後に押さえておきたいチャイルドシートの基本的な情報をご紹介します。
チャイルドシートの使用は6歳までが義務。150cmまで推奨
道路交通法第71条の3第3項により、6歳未満のお子さまを自動車に乗せる際はチャイルドシートを使用するよう義務付けられています。
さらに、JAF(一般社団法人日本自動車連盟)では6歳以上であっても身長が150cmになるまではチャイルドシートを使用するように推奨しています。これは、乗用車のシートベルトを使用できるのが身長150cm以上であるためです。
身長150cm未満のお子さまがシートベルトを使用するとベルトが肩や腰ではなく首やお腹にかかり、大きな衝撃が発生した際に首や内臓を傷付ける恐れがあるからです。
参考:e-GOV法令検索「道路交通法」
参考:JAF(一般社団法人 日本自動車連盟)「チャイルドシートはいつまで(何歳まで)必要?(はじめてのチャイルドシート クイックガイド)」
チャイルドシートの種類
チャイルドシートの種類は年齢に応じて乳児用・幼児用・学童用の3つに分けられます。
| |
体重 |
身長 |
年齢 |
| 乳児用 |
10kg未満 |
70cm以下 |
新生児~1歳頃 |
| 幼児用 |
9~18kg |
65~100cm以下 |
1歳~4歳頃 |
| 学童用 |
- |
150cm以下 |
4歳~12歳頃 |
参考:国土交通省 自動車総合安全情報「チャイルドシートの種類」
乳児用や幼児用は前向きと後ろ向きを切り替えられるタイプが多く、お子さまの成長に合わせて向きを変えながら長く使用できます。
チャイルドシートの選び方
チャイルドシートを選ぶ際は先述した安全基準を満たし、お子さまの体型や成長に合った製品を選ぶことが重要です。
チャイルドシートの固定方式には専用金具を使用して固定するISOFIX(アイソフィックス)タイプと、シートベルトで固定するタイプがあります。ISOFIXタイプは自動車に取り付けやすく、取り付け後にグラグラしにくいなどメリットの多い固定方式です。ただし、すべての車種に対応しているわけではないため、所有している自動車に使用できるかどうか事前にチェックする必要があります。
チャイルドシートは回転式でお子さまの乗せ降ろしが楽なものやリクライニング機能付きのもの、通気性に優れた素材を使用しているものなど多種多様です。そのため、利便性や機能性を考慮して選ぶことをおすすめします。
前向きと後ろ向きを切り替えられるチャイルドシートをチェック!
イオンスタイルオンラインでは、さまざまなチャイルドシートを取り扱っています。前向き・後ろ向きを切り替えて使用できる製品もそろっていますので、ご家庭にぴったりのチャイルドシートを見つけてください。
まとめ
チャイルドシートの向きを切り替えるタイミングは主にお子さまの身長・体重・月齢をもとに判断します。最新の安全基準R129で定められている後ろ向き使用推奨期間も、一つの判断基準となるでしょう。
ただ、チャイルドシートを後ろ向きで使用することで事故時の衝撃を背中全体で吸収して首や頭部へのダメージが軽減されるため、安全性は高まります。そのため、前向きへの切り替えを急ぐ必要はありません。
前向きへの切り替え時期は取扱説明書をしっかりと確認し、お子さまの成長に合った時期を選ぶようにしましょう。切り替える際は取り付け方やベルトのしめ方にも十分に注意を払う必要があります。
チャイルドシートはお子さまの命を守る上で重要なものです。安全性を最優先に考え、焦らずに判断しましょう。