チャイルドシートは5歳まで必要?
法律上の基準と選ぶときのチェックポイント
更新日: 2025.2.15
※イメージです。
5歳のお子様にチャイルドシートを使用するかどうか?の判断は年齢だけでなく、身長や体格を考慮して決定する必要があります。
チャイルドシートの使用義務を怠ると、道路交通法の罰則が適用されるだけでなく、お子様の身体の安全を脅かす恐れがあります。チャイルドシートの使用ルールや正しい使い方を理解し、お子様が安全に成長できるよう配慮することが大切です。
今回はチャイルドシートの法的義務や使用状況、5歳より上でもチャイルドシートが必要な理由、選ぶときのポイントなどについてご紹介します。
5歳児のチャイルドシート使用は法的義務です!
6歳未満のお子様を自動車に乗せる場合、幼児用補助装置、つまりチャイルドシートを使用することが道路交通法第71条の3第3項で定められています。
6歳の誕生日を迎えていない5歳児をチャイルドシートなしで自動車に乗せた場合、道路交通法違反で罰則の対象となるため注意が必要です。幼児用補助装置の着用義務に違反した場合、「1点」の違反点数が加点されます。
ただし、道路交通法施行令第26条の3の2の第3項によると、チャイルドシートの着用が免除される次のようなケースもあります。
- 座席の構造によってシートを固定できない場合
- お子様の体格や疾病状態によってシートに座れない場合
- 授乳などの日常生活における世話(幼児用補助装置を使用させたままでは行うことができないものに限る。)が必要な場合
- タクシーなどに乗る場合
参考:
道路交通法第71条の3第3項│e-Gov法令検索
参考:
道路交通法施行令第26条の3の2の第3項│e-Gov法令検索
チャイルドシートの使用状況は?
法的義務があるにもかかわらず、6歳未満のお子様にチャイルドシートを使用していない人も少なくありません。
警察庁とJAF(一般社団法人日本自動車連盟)が2024年5月に合同で実施した調査によると、6歳未満のお子様にチャイルドシートを使用しているのは全体の78.2%でした。
チャイルドシート不使用で多かったのは、「車両シートにそのまま着座(9.8%)」や「大人用シートベルト着用(5.1%)」などです。
この調査では、お子様の年齢が上がるほどチャイルドシート使用率が低くなることが明らかになっています。1歳未満の場合は91.7%がチャイルドシートを使っているのに対し、5歳児の場合は約57.9%と半数程度にとどまっています。
2015年の同調査で5歳児の場合は39.1%だったことを考慮すると、全体の安全意識は高まってきているといえますが、まだ法的義務を果たしていない人が多い状況です。
さらに、チャイルドシートを使用している場合でも、間違った取り付け方や座らせ方をしている人が見受けられます。
チャイルドシートを使用している人のうち、適切に取り付けていた割合は全体の69.8%でした。また、お子様を適切に着座させていた割合も全体の55.7%で半数程度にとどまっています。
チャイルドシートの誤った取り付け方として「腰ベルトの締め付け不足」が圧倒的に多く、その他に「サポートレッグの調整不良」「座席ベルトの通し方間違い」などがあります。
不適切な着座の理由には「ハーネスの締め付け不適正」「ハーネスの高さ調節間違い」「ハーネスのよじれ・ねじれ」などがあり、ハーネスの使い方が間違っているケースがほとんどです。
正しい使い方をしないとチャイルドシートは本来の機能を発揮できません。5歳未満のお子様にはチャイルドシートを使用して法的義務を果たすと同時に、適切な取り付けと座らせ方を心がけることが大切です。
参考:
子供を守るチャイルドシート│警察庁
参考:
チャイルドシート使用状況全国調査結果(令和6年)│警察庁
5歳より上のお子様にもチャイルドシートが必要な理由
年齢が5歳より上でも、チャイルドシートを使用しないことでお子様の身体を危険にさらしてしまう恐れがあります。
ここからは、5歳より上のお子様にもチャイルドシートが必要な理由をご紹介します。
シートベルトを適切に使える身長に達していない場合がある
JAFではシートベルトを安全に着用できる身長の目安を150cm以上としています。
先述のとおり、6歳以上になるとチャイルドシートの法的な着用義務はなくなります。しかし、シートベルトは成人向けに設計されているため、お子様の成長度合いにより身長や体格の問題でシートベルトを適切に使用できない可能性もあります。
交通事故が起きた際、乗車している人の安全を守るためにはシートベルトが肩や骨盤にかかっていることが必要です。シートベルトが首やお腹にかかっている場合、万が一の事故が起きた際、お子様に危険がおよぶ可能性が高くなります。
チャイルドシートやジュニアシートは お子様の体格に合わせたシートベルトの装着を可能にし、安全に座れるようにするための補助的な役割を果たします。
シートベルトの機能を適切に使用できるようになるまでは、万が一の事故に備えて体格に応じた種類のチャイルドシートを使うのが賢明です。
参考:
チャイルドシート完全ガイド いつまで必要?取り付け方は?│JAF
チャイルドシートの有無で死亡重傷率が大きく変わる
警察庁によると、事故にあったときにお子様がチャイルドシートを使用していないと、死亡重傷率が適切に使用した場合の約4.7倍になるとの調査結果があります。
また、公益財団法人交通事故総合分析センターの発表によると、チャイルドシートを使用していなかったお子様の適切に使用していた場合に比べた死亡重傷率は0~1歳で約4.2倍、2~4歳で約5倍、5~12歳で約2.4倍でした。
チャイルドシートで身体を固定せずに事故が起きた場合は座席の下に落ちる、車外に投げ出されるなどの事態に発展しかねません。自動車の座席シートの金具に頭をぶつけ、大きな怪我につながる場合もあります。
また、チャイルドシートの間違った使い方も大事故の原因となるため、適切に使用することが大切です。
チャイルドシートのハーネスは たるみがないようにしっかりと締めることを心がけてください。目安は お子様の鎖骨とハーネスのあいだに指が1本入る程度の締め付け具合です。
お子様がチャイルドシートを嫌がる場合はチャイルドシートのサイズや角度を調整し、座り心地を改善してみましょう。
お子様の安全を守るために欠かせないアイテムですので、諦めずに工夫を続けることが重要です。
参考:
子供を守るチャイルドシート│警察庁
参考:
子どもを守るチャイルドシート~正しい使い方について~(イタルダ インフォメーション No.145)│交通事故総合分析センター
交通事故がお子様の主な死因である
幼児や児童の死因は「不慮の事故」が上位を占めています。こども家庭庁の発表によると、2022年の0~14歳のお子様の死亡数は2,584人で、このうち不慮の事故は7.0%の181人です。
そして、1~14歳の年齢では「不慮の事故」の中で最も割合が高いのが「交通事故」となっています。
このように、交通事故によって亡くなるお子様が多いからこそ、安全を守るためにチャイルドシートの使用は欠かせません。
法的義務のない6歳以上のお子様でも体格が小さい、またはシートベルトの着用が適切でない場合はチャイルドシートを使って、万が一の事態を防ぐことが大切です。
参考:
子どもを守るチャイルドシート~正しい使い方について~(イタルダ インフォメーション No.145)│交通事故総合分析センター
参考:
こどもの不慮の事故の発生傾向と対策等│こども家庭庁
チャイルドシートにはどんな種類がある?
チャイルドシートは対象年齢ごとに大きく4つの種類に分けられます。
ここからは、それぞれの特徴をご紹介します。
ベビーシート
ベビーシートは新生児から1歳頃までの乳幼児が使用するタイプのチャイルドシートです。
乳幼児を寝かせ、横向きまたは後ろ向きに設置するものが主流です。衝撃を背中の広い面で受け止め、骨格が未発達な乳幼児の身体を守る構造になっています。
チャイルドシート
チャイルドシートは主に1~4歳頃の幼児が使用するタイプです。
対象はすでに首が座っているお子様で、身長は76cm以上、体重は10~18kgが体格の目安となります。チャイルドシートは進行方向に向かって前向きに取り付けるものが主流ですが、年齢や体格によっては後ろ向きに取り付けることも推奨されています。
ジュニアシート
チャイルドシートの次に、4~12歳頃のお子様が使用するタイプをジュニアシートと呼びます。その目的は座面の高さを上げ、シートベルトを適切に装着できるようにすることです。ジュニアシートの使用目安は身長100~150cm程度のお子様です。
ブースターシート
ブースターシートは背もたれがないタイプのジュニアシートです。チャイルドシートの中では簡易的な構造で、使用するお子様の身長は125~150cm程度が目安です。
なお、お子様の体格によってはシートベルトが首にかかることもあるため、身長が足りていない場合は背もたれ付きのタイプを選ぶことで、シートベルトが正しく着用できるようになります。
チャイルドシート、ジュニアシートを選ぶときのポイント
※イメージです。
5歳までは着用が法的義務となっているチャイルドシートやジュニアシート。製品を選ぶ際は安全性が最優先ですが、快適に座れるかどうかもチェックしたいところです。
ここからは、チャイルドシートを選ぶときのチェックポイントをご紹介します。
認証マーク
安全基準を満たした商品には「Eマーク」と呼ばれる型式認定マークが付いています。また、日本で認証を受けた製品には「43」の数字が記されているため、購入前に確認すると良いでしょう。
認証マークが付いていれば厳格な基準をクリアした製品であることがわかり、チャイルドシートを安心して使用できます。
参考:
チャイルドシート安全比較BOOK│国土交通省
試験結果
チャイルドシートの製品に対しては安全性をチェックするために「使用性評価試験」や「前面衝突試験」が実施されています。各試験の概要は次のとおりです。
| 使用性評価試験 |
使いやすさや取り付け方などの項目を5点満点で評価する |
| 前面衝突試験 |
時速55kmでの前面衝突における影響を4段階で評価する |
これらの試験結果は「チャイルドシートアセスメント」として商品に表記されていますので購入時の参考にしましょう。
座面の高さ・重量
ジュニアシートの場合はシートベルトで身体を固定するため、座面の高さは重要なポイントです。座面の高さを調整しやすいかどうか、購入前にチェックしてみてください。
また、シート本体が重すぎる場合は脱着が困難になるとともに、万が一の衝撃時に固定ベルトからの身体に対する負担が大きくなるため注意が必要です。
固定方式
チャイルドシートの固定方式には「シートベルト式」と「ISOFIX(アイソフィックス)式」があります。シートベルト式は装着が複雑で固定が不安定になる場合があります。
一方、ISOFIX式は自動車の座席に備わっている金具で簡単に固定できます。
2012年7月以降生産の自動車にはISOFIX方式に対応する金具の装着が義務化されているため、該当する自動車をお持ちの場合はISOFIX式のチャイルドシートを選ぶと良いでしょう。
なお、ISOバーが装着されていない自動車に保安基準に適合していない恐れがある「後付けISOFIX取付金具」を使用しないよう、国土交通省が注意喚起しています。
参考:
チャイルドシートコーナートップ│国土交通省
クッション性
クッション性の悪いチャイルドシートは疲れやすく、お子様の乗り心地にも悪影響をおよぼします。事故の際の衝撃もお子様に伝わりやすくなるため、クッション性に優れたシートを選ぶことが大切です。
背もたれ
ジュニアシートには背もたれのないブースタータイプもありますが、安全性の面で劣る傾向もあるため注意が必要です。未発達なお子様の身体を守るためにも、なるべく背もたれ付きのタイプを選びましょう。
デザイン
チャイルドシートを利用している間は なるべくお子様が嫌がらないようにすることが大切です。お子様が喜ぶ、かわいらしいデザインのチャイルドシートを選べば、抵抗せずに座ってもらいやすくなるでしょう。
兄弟姉妹がいる場合は使いまわせるベーシックなデザインの商品を選ぶのもおすすめです。
チャイルドシートからジュニアシートに切り替えるべきタイミングは?
お子様の体格などにもよりますが、対象年齢を考慮すると4~5歳頃にチャイルドシートからジュニアシートへ切り替える場合が多い傾向です。
目安となる年齢に達していない場合でも、お子様が窮屈に感じているときは切り替えを検討する必要があります。具体的には身長100cm、体重15kgを超えた頃が切り替えを検討するタイミングです。
ただし、ジュニアシートはチャイルドシートより簡易的な構造になっているため、早すぎる切り替えは注意が必要です。お子様の成長に合わせてベルトや座面の高さを調整できるタイプも検討してみてください。
チャイルドシートを使う場合の乗車定員はどうなる?
自動車には乗車定員が設定されているので、それを超えると法律違反になります。道路輸送車両の保安基準第53条2項において、12歳以上は誰でも大人1人と数えることが定められています。
12歳未満のお子様は3人で大人2人分と数え、チャイルドシートを使う場合もこの原則は変わりません。つまり、「大人+12歳未満のお子様×2/3(端数切り上げ)」の数字が乗車定員を超えていなければ問題ありません。
参考:
道路輸送車両の保安基準第53条2項│e-Gov法令検索
おすすめのチャイルドシートのご紹介
チャイルドシートは交通事故の危険からお子様を守るために欠かせないアイテムです。イオンスタイルオンラインでは お子様が長く使えるチャイルドシートを取りそろえています。
ISOFIX式で簡単に固定できるタイプや、頭部に衝撃吸収材を使用し、振動や衝撃からお子様の頭を守るタイプ。また、お子様が成長したら背もたれを外してブースターシートとして使用できる製品など、様々なバリエーションも取り揃えています。
お子様に適したチャイルドシート、ジュニアシートをお探しの方は、こちらをご覧ください。
まとめ
5歳のお子様が自動車に乗る際はチャイルドシートを使用する法的義務があります。また、適切に使わなければ、万が一の交通事故の際に、お子様の身体を危険にさらしてしまう恐れがあるため、正しい取り付け方や装着方法を知っておくことも大切です。
チャイルドシートにはいくつかの種類があるため、お子様の成長に応じて買い替えながら、安全に乗車できるよう配慮しましょう。幅広い身長に対応しているチャイルドシートなら長く使えますので、ぜひ検討してみてください。