あなたの鼻炎はサラサラの鼻水、粘り気のある鼻水?症状別、鼻炎におすすめ漢方薬と生活アドバイス
「最近ずっと鼻水が止まらない!風邪をひいたのかも?それとも花粉症?」そんな症状の時がありませんか?鼻炎には、ウイルスなどが原因で起こる鼻炎や花粉・ほこりなどで起こるアレルギー性鼻炎だけでなく、寒暖差が起こす鼻炎もあります。特にアレルギー性鼻炎は、鼻づまりやくしゃみがひどくて眠れないといった方もいるのではないでしょうか。このような鼻炎を予防・対策するためには、日頃の生活習慣や食事の内容を見直すことが大切です。
なぜ鼻炎が起きるの?
漢方では、「肺は鼻に開竅(かいきょう)する」という言葉があります。肺は、呼吸をするときに鼻から清気(自然界の空気)を吸い、カラダの中の不要な濁気を吐き出します。漢方でいう「肺」とは、臓器の肺だけでなく、のどや鼻の機能をつかさどるとされています。「肺」の機能が弱くなると、ほこり、ウイルス、花粉などの「邪気」(じゃき)が体内に入りやすくなるため、鼻水やくしゃみなどの症状を起こします。鼻炎を起こさないようにするには、カラダのバリア機能を保護する「衛気」を強くすることが大切です。鼻炎のタイプには大きくわけて「寒邪(冷えによるもの)」「熱邪(熱によるもの)」にわかれます。
鼻炎にはどんな種類がある?
一般的に鼻炎の種類には次のようなタイプがあります。
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急性鼻炎
風邪の一種で、ライノウイルス・アデノウイルスなどのウイルスが原因です。急性鼻炎の症状には、鼻水・くしゃみ・鼻づまりなどがあります。
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慢性鼻炎
急性鼻炎が長引いたものを慢性鼻炎といいます。鼻炎が長引くと、黄色く粘り気のある鼻水が出て鼻づまりを起こしやすくなります。
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アレルギー性鼻炎
ほこりやダニが原因で起こる「通年性アレルギー性鼻炎」とスギやヒノキなどの花粉などが原因で起こる「季節性アレルギー性鼻炎」があります。アレルギー性鼻炎の症状は、水のようなサラサラした鼻水・激しいくしゃみの他に、目や肌がかゆくなる方もいます。
あなたの鼻炎はどのタイプ?
漢方では鼻炎は、カラダの冷えによるものか(寒邪)もしくは、熱がこもっているのか(熱邪)によって対処法は異なります。まずは、自分の鼻炎のタイプはどちらか確認してみましょう。
鼻炎が起こり始めた「急性期」の症状
カラダの中に余分な水分が滞っている状態です。急性期に起こりやすい鼻炎は、「寒邪」によって起こります。またカラダの中に水が滞ってしまう「湿邪」も原因のひとつです。急性期は次のような症状があらわれます。
- 水っぽくサラサラした鼻水が出て止まらない
- カラダが冷えてい
- 舌の色が白い
鼻炎の症状が長く続く「慢性期」の症状
カラダの中に熱がこもっている状態です。慢性期に起こりやすい鼻炎は、「熱邪」によって起こります。鼻炎が長引いて鼻の粘膜が炎症を起こし慢性化すると「副鼻腔炎」を引き起こすこともあります。慢性期は次のような症状があらわれます。
- 鼻水が黄色く粘っている
- 目が充血したり、喉が痛くなったりする
- 舌の色が赤い
鼻炎のタイプに合わせたおすすめの漢方薬
漢方では、心身の症状に合わせて漢方薬を選ぶことが大切です。水のようなサラサラした鼻水が出るタイプから、ドロっとした黄色い鼻水が出るタイプまでいろいろなタイプの漢方薬があります。
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小青竜湯 (しょうせいりゅうとう)
体力中等度又はやや虚弱な方で、水のようなサラサラした鼻水やくしゃみが出る初期の鼻炎に向いている漢方薬です。眠くなる成分が含まれていない花粉症の薬としても有名です。アレルギー性鼻炎の方にもよく使われています。小青竜湯には「麻黄」という生薬が含まれているため、高齢の方や持病のある方は注意が必要です。
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葛根湯加川芎辛夷 (かっこんとうかせんきゅうしんい)
比較的体力のある方で、鼻づまり・蓄膿症(副鼻腔炎)・慢性鼻炎などの症状がある方に向いている漢方薬です。葛根湯加川芎辛夷は葛根湯をベースにした漢方薬でカラダの中に滞った水分を出し、カラダを温める効果が期待できます。こちらの薬にも麻黄が含まれています。
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辛夷清肺湯 (しんいせいはいとう)
体力中等度以上の方で、黄色いドロッとした鼻水が出る鼻炎に向いている漢方薬です。鼻づまり・慢性鼻炎・副鼻腔炎の方に使われています。カラダに熱がこもっている人にも向いています。
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荊芥連翹湯 (けいがいれんぎょうとう)
体力中等度以上の方で、カラダに余分な熱がこもる慢性鼻炎や副鼻腔炎の方に使われる漢方薬です。皮膚の色が浅黒く、手足の裏に脂汗をかきやすく腹壁が緊張している人に向いています。カラダの熱を冷ますことで鼻づまりを改善させてくれます。にきびや扁桃炎などにも使用されます。